化学反応式から、反応速度を考える基本的な方法について解説する。
生成速度、消費速度の考え方
反応速度は化学反応式の係数に比例する。
例えば、化学反応式「A+2B→3C+D」が与えられ、反応速度はvとする。
右向きに反応が進むため、AとBは消費され、CとDは生成する。
Aの消費速度はv、Bの消費速度は2v、Cの生成速度は3v、Dの生成速度はvとわかる。Dが1mol生成する間にCは3mol生成しているということは、生成速度も3倍だということである。
【例題1】
反応A + 2B→ 3C+ D の反応速度は2.7 mol dm⁻³ s⁻¹と報告されている。各成分の生成と消費の速度を答えよ。
Aの消費速度はv、Bの消費速度は2v、Cの生成速度は3v、Dの生成速度はvだから、v=2.7 mol dm⁻³ s⁻¹より、Aの消費速度は2.7 mol dm⁻³ s⁻¹、Bの消費速度は2×2.7=5.4 mol dm⁻³ s⁻¹、Cの生成速度は3×2.7=8.1 mol dm⁻³ s⁻¹、Dの生成速度は2.7 mol dm⁻³ s⁻¹
【例題2】
反応A + 3B→ C + 2D においてBの消費速度は2.7 mol dm⁻³ s⁻¹である。反応速度とA,C,Dの生成(または消費)速度を求めよ。
反応速度をvとおくと、Aの消費速度はv、Bの消費速度は3v、Cの生成速度はv、Dの生成速度は2v。Bの消費速度から、3v=2.7 mol dm⁻³ s⁻¹より、v=0.9 mol dm⁻³ s⁻¹。よって、反応速度をvとおくと、Aの消費速度は0.9 mol dm⁻³ s⁻¹、Cの生成速度は0.9 mol dm⁻³ s⁻¹、Dの生成速度は2×0.9=1.8 mol dm⁻³ s⁻¹v。
まとめ
「反応速度は化学反応式の係数に比例する」ということが重要である。